企業が成長戦略を描くうえで、M&Aは欠かせない手段となっています。なかでも近年注目を集めているのが「カーブアウトディール」です。カーブアウトとは、子会社や一事業部門を切り出して第三者に譲渡する取引形態を指します。大手企業における事業ポートフォリオの見直しや、資本効率の改善を目的として実施されるケースが増加しており、特に上場企業ではポートフォリオ再編戦略上、カーブアウトディールが重要なテーマとなりつつあります。

しかし、初めてカーブアウト案件を担当する方にとっては、譲渡範囲の決定、承継対象となる人材の選定、独立運営に必要な機能（スタンドアロンイシュー）の整理、譲渡対象財務諸表や事業計画の再構築、さらには従業員の心情面への配慮など、準備フェーズで乗り越えるべき課題は少なくありません。

本資料は、そうした初めてカーブアウト案件を任された担当者が「最初の一歩」を踏み出すための道しるべとなることを目的に作成しています。カーブアウト実務に直面した架空の担当者のストーリーを通して、準備フェーズからクロージングまでの要点を具体的に解説。単なる知識の羅列ではなく、社内調整や買手との交渉の指針としても活用できる、実践的な内容としています。